“デジタル・デトックス”で見直す、シンプルライフの美

スマートフォン、パソコン、タブレット、インターネット、SNS……今や、生活のあらゆる場面でデジタルが欠かせない存在になっています。でも、ふと気付くとそれらのデジタル機器に依存し過ぎてはいないでしょうか。本当に豊かな生活とは何か?人との繋がりとは?デジタル機器とインターネットの世界から離れることで改めて見直してみよう、と啓蒙活動を行っているのが「デジタル・デトックス」という非営利機関です。

その活動の一環として、カリフォルニアで始まったのが「デジタル・デトックス・リトリーツ」。デジタル・デトックスのためのキャンプイベントで、昨今のグランピングブームと相まって、にわかに注目され始めています。イベントは、年に数回だけ全米の各都市で行われていて、アナログライフや人との交流を楽しめるプログラムが盛りだくさんなのだとか。最近では、5月の第3、4週目の週末に北カリフォルニアで行われたばかりです。今回は、そのイベントの様子をご紹介しながら、デジタルに縛られないシンプルなライフスタイルについて考えます。

「デジタル・デトックス・リトリーツ」とは?

「デジタル・デトックス・リトリーツ」は、デジタル漬けの日常を“デトックス”するため、電子機器を一切持たずに4日間過ごすというもので、18歳以上が参加可能な大人向けのキャンプのこと。参加者の半分以上は女性で、全米はもちろん世界10ヶ国以上から集まるそうです。キャンプのルールは、「デジタル機器は一切持たない、もちろんSNSもしない、仕事の話をしない、時間を気にしない」など、シンプルながらも、いざ実践してみると、なんだかそわそわしてしまいそう。まず参加者は、“テック・チェック”を受け、スマホやタブレット、デジカメなどの手持ちのデジタル機器は没収されます。

“デジタル・デトックス”で見直す、シンプルライフの美

誰かに“メール”を送りたければ、手書きかタイプライターで手紙をしたため、郵便ポストへ。

“デジタル・デトックス”で見直す、シンプルライフの美

写真を撮るにはポラロイドカメラで、またその写真やコメント、イラストなどを“シェア”するためのボードも用意されています。まさにアナログ版のインスタグラム!?

“デジタル・デトックス”で見直す、シンプルライフの美

“デジタル・デトックス”で見直す、シンプルライフの美

参加者同士で連絡を取り合ったり、情報交換をするには、メッセージボードや各参加者に割り当てられた“受信ボックス”を利用して、直接手紙やメモなどを交換します。

アナログライフを満喫できるアクティビティー

さらに、4日間のキャンプ中には、デジタルとは無縁に楽しめる数多くの企画が用意されています。例えば、キャンプファイヤー、ダンス、音楽ライブ、野外クッキングなどキャンプならではのアクティビティーから、アートやクラフトのワークショップ、またヨガやアーチェリー、ボルダリング、チーム対抗運動会などのスポーツまで、実にさまざま。どれも、大自然のなか五感を刺激されるような内容で、忙しい日常を忘れて思いっ切り満喫できそうなものばかりです。

“デジタル・デトックス”で見直す、シンプルライフの美

“デジタル・デトックス”で見直す、シンプルライフの美

「デジタル・デトックス・リトリーツ」創設ストーリー

“デジタル・デトックス”で見直す、シンプルライフの美

では、そもそもこのキャンプのコンセプトはどのようにして誕生したのでしょうか?それは、創業者の過去のライフスタイルと、それを覆す出来事にあったようです。

創業者の一人、レヴィ・フェリックスは、夢見ていたIT関係の仕事で某企業の副社長にまで上りつめました。常に仕事モードで、会社での寝泊まりも当たり前。デジタルの世界にどっぷり使っていた彼は、ある日ついに働き過ぎによる過労で倒れてしまいます。生死の境をさまようほどの辛い体験をしたレヴィは、それまでの生活を見つめ直すため、パートナーのブルックとともに旅に出ることに。ビジネスでは必需品であったパソコンとスマートフォンを手放し、持っていたものも全て売り払い、バックパックひとつで世界を回りました。各地でヨガや瞑想を学び、ボランティアに精を出し、カンボジアの小さな島に行きついた二人は、そこでゲストハウスを開きます。そして、デジタルとは無縁の大自然の中での暮らしを始めました。

そこで見出したのが、“テクノロジーを手放す(ディスコネクトする)ことで、再びつながる(リコネクトする)ことができる”ということ。それは人と人とのつながり、人と自然とのつながり、そして自分自身とのつながりでした。そこで、ゲストハウスに泊まりに来るゲストにもそれを体験してもらうべく、2013年のカリフォルニアで、キャンプ形式の「デジタル・デトックス・リトリーツ」をスタートしたのです。

デジタル・デトックスの意義

“デジタル・デトックス”で見直す、シンプルライフの美

「デジタル・デトックス」によると、一般職に就くアメリカ人の多くが、人生において仕事をしている時間の半分以上をパソコンやタブレットなどスクリーンを見つめることに費やしているそう。インターネットを通じて、情報や人とグローバルに簡単につながることができるようになった反面、情報過多やオンライン上の人間関係のもつれなどによる精神的な疲れ、長時間スクリーンを凝視することによる肉体的なダメージなど、さまざま問題が生じているのは言うまでもありません。

しかし、では今すぐデジタル機器を捨ててアナログライフに、というのも難しい話。あくまで「デジタル・デトックス」とそのキャンプイベントが目指しているのは、デジタルの恩恵に預かりながらも、それに溺れてしまわないバランスを身に付けること。そして、デジタル機器やインターネットの世界と健康的な付き合いをすること、なんだとか。

もし、普段の生活でパソコンやスマートフォンを見過ぎている、SNSをチェックし過ぎている、そのせいかどこか疲れている……そう感じていたら、意識的にデジタル環境から少しでも離れる機会をつくるといいかもしれません。例えば、休日にはパソコンは開かないと決めたり、スマートフォンなしでランニングやヨガに出かけたり、カフェで読書に没頭してみたり。キャンプに参加しないまでも、身近にできることはたくさんありそうですね。

意識したいのは、日常に溢れる情報をうまく取捨選択し、デジタルに振り回されないこと。振り回されないからこそ、自分という軸をしっかり保ち、精神的にも肉体的にもヘルシーに美しくいられるライフスタイル。それこそが、現代におけるストレスフリーのシンプルライフではないでしょうか。そしてそれは、都会にいても郊外にいても、自分自身でつくり上げることができるのかもしれません。

参考文献

Photo Courtesy of Digital Detox®
http://digitaldetox.org/retreats/

この記事を書いたライター

Writer

東京・LAでの出版社勤務ののち、フリーランスのライターに。中米コスタリカの常夏ビーチリゾート地でのスペイン語学習+バケーション+時々仕事の生活を経て、再びLAにて活動中。屋外ワークアウトが最近のお気に入り。ハイキングや公園&ビーチヨガをリフレッシュと体型維持のために続けています。

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