エクササイズ嫌いも好きになる?!人気上昇中レストラティブ・ヨガ

今年の初めにご紹介した「2017年に流行するエクササイズ7つ」のなかで、私が最も心を惹かれたのは「回復エクササイズ」。このカテゴリーのなかで特に人気が急上昇しそうなのが、ヨガの一つ「レストラティブ・ヨガ」です。ベテランのハリウッド女優、サルマ・ハエックは、「エクササイズが嫌いで一切しないけれど、レストラティブ・ヨガは大好きでやっている」と、数年前に『ピープル』誌の取材でグラマラスな美ボディの秘密を明かしていました。実は私も、3年前からやっています。

レストラティブ・ヨガというのは、「心身回復に役立つヨガ」という意味。かつて『タイム』誌の「世界で最も影響力のある100人」に選ばれたB.K.S.アイアンガー師の教えに基づき、アイアンガーヨガの指導者であるジュディス・ラセター師が1990年代に新しく編み出したしたメソッドです。はたから見るとほぼ寝ているだけ、休んでいるだけに見えるようなポーズを長い間続けるのですが、全身の体重を床とクッションなどの補助器具に完全にゆだねるだけで、体の柔軟性とバランスを回復し、深いリラックスと休息を得て、ストレス解消ができるヨガなのです。エクササイズと呼ぶと違和感があるぐらい激しい動きも大きな動きもほとんどないヨガなので、面倒くさがりで早く動くのが苦手な私が、さまざまあるタイプのヨガの中で一番好きになったクラス。けがをする可能性が非常に低く、高齢者や妊婦さんのエクササイズにも適しています。さらに生理中や、体調が優れなくて動きたくない時、そういう時に家でも簡単にできるところが魅力です。季節の変わり目で体調が優れない人が出てくる時期でもありますから、皆さんがご自宅でもできるレストラティブ・ヨガの3ポーズをご紹介したいと思います。

レベッカ・クリングラーさん/ヨガ講師、女優

レベッカ・クリングラーさん/ヨガ講師、女優

私がヨガの先生、レベッカ・クリングラーさんに出会ったのは、ハリウッドにあるYMCAという地域密着型のジム。彼女は長年女優としても活躍していて、TVドラマ『トゥルー・ブラッド』に出演し、昨年は1年かけてオリジナルのウェブ・シリーズ(http://thecalamitiesofjane.com/)を撮影し、公開しています。レストラティブ・ヨガが専門の彼女のクラスを初めて受けた後、頭も体もすっきりと軽く感じられた時の驚きを今でもよく覚えています。今回は、レベッカさんの自宅で教えていただきました。

「レストラティブ・ヨガは、わずかな動きだけれど、強力なんです。微妙過ぎて初めてやった時には効果が分からなくて、2度目のクラスで“分かったわ”と言われることが多いわ」と、レベッカさんは言います。このヨガの効果は、リラックスや元気回復だけに留まりません。他のエクササイズと比べてカロリー消費量が少ないにもかかわらず、ダイエットにも効果的だとか。「このヨガには、ストレスを軽減する効果があるからです。女性のお腹周りのなかなか落ちない脂肪は、コルチゾールというストレス過多で生まれるホルモンの仕業でもあるでしょう?だから、ダイエットにもいいと思うの。同じ期間にストレッチをやったグループよりも、レストラティブ・ヨガをやったグループの方が、体脂肪の減少がみられたという研究結果も出ているわ」その研究結果は、2013年にカリフォルニア大学の研究者達によって発表されたもの。レストラティブ・ヨガを行った肥満体型の被験者達は、研究中6ヶ月で皮下脂肪を減らしたばかりか、その後も皮下脂肪を減らし続けたとのこと。過去3年間、まったくスタイルが崩れないレベッカさんが言うと、説得力があります。

「それから、私は今、更年期障害を経験しているところだけれど、このヨガの効果を実感しているの。私の年代の女性たちや、更年期障害を終えた女性たちにもとても必要とされるヨガだと思うから、これを専門にしているのよ」。
私個人は、生理前と生理中に特に効果を感じるので、本当に幅広い世代の女性の悩みに対応してくれる万能ヨガだと思います。それでは以下、レベッカさんが厳選してくれた簡単にできるレストラティブ・ヨガのポーズ、3つです。

ポーズ1

「落ち着きたい時にこれだけをやってもいいし、このポーズをレストラティブ・ヨガの最初のポーズにしてもいいわ。ポイントは、全身を完全に床にゆだねることです。頭の中を静かにして、少しずつ、体がどんどん重くなっていくのを意識して、そのまま体の重さを床に任せてしまってください」 必要な道具は3点、ストラップ(長いベルトやスーツケースのベルトで代用可)、ブランケット3枚(バスタオルで代用可)、ボルスター(枕かクッションで代用可。大切なのは、どこを押しても均等な固さがあることです。上に寝転がった時に、どこかで固さに差があると、体が傾いた状態になって歪んでしまいます。固くない枕は2つ重ねたり、2つ折りしてタオルで巻きましょう)。

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ボルスターの上部、頭があたる部分の上に折り畳んだブランケットをのせてください。

大きな輪にしたベルトを、足の下で抑えてから、頭の上から体に通します。その後、足が固定されるまでベルトの輪をしぼります。この時に、ベルトはちょうど骨盤の上に当たるようにしてください。

後ろにゆっくりと体を倒しますが、ボルスターが肋骨の下に当たるようにしてください。もしも腰痛があって、不快に感じる場合は、それよりも少し下にしてください。

これですでに完璧なポーズなのですが、さらにしっかりと全身を支えるために、太ももの下に畳んだブランケットを。「これに支えられることで股関節の緊張がなくなるので、さらに体が開かれるのです。ただ寝ているだけに見えますが、ボルスターがあるので胸が自然と開かれる形になり、いつもよりも深く酸素を吸い込むことができます。ゆっくりと呼吸しながら、床があなたの体を押し返しているような感覚や、自分が床に落ちて行っているような感覚を意識してみてください」

10分以上このままでいます。終った後は、すぐに起き上がるのではなく、右側に体を倒して、手をついてゆっくり上体を起こし、ベルトを外してください。終った後にとてもリラックスしたことを感じられると思います。

ポーズ2

1番のポーズのように補助具を用意するのは大変という人におすすめなのが、こちら。とても簡単でシンプル。壁を使うので、部屋の中で両足を広げられるぐらいの幅の壁を選んでください。このポーズは、生理中は避けた方がよいそうです。

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ボルスターかクッションを、壁から指4本分ぐらいの隙間を開けて置き、その上に腰を乗せて寝転がり、足を横から壁に上げる(ボルスターはなしでもいいが、床の上だと腰に痛みを感じることも)。

足を真っすぐに伸ばし、かかとを壁につけて、そのまま5分。

次の5分で開脚。不快に感じない程度まで適度に広げる。

または、足を組んで5分。好きなものを試してみてください。ポーズを終える時は、右に寝転がって、手でゆっくりと体を押し上げてください。

このポーズを5分するだけでも、疲労がすっと抜けるのが分かると思います。ストレッチもレストラティブ・ヨガに似ているのですが、ヨガという名前がついているだけあって、日本語でいうと、「心を無にする」レベルのリラックス状態を得るのが理想です。私は、ポーズ中もいろいろと、どうでもいい考えが浮かんで、なかなか無になれないのですが、レベッカさんのアドバイスによると、「浮かんでくる考えではなくて、体のどこに力が入っていて、どの部分の筋肉がこっているかに意識を向けて、その部分に気づいたら、完全に重力に体を任せてください。それから呼吸にも意識を向けて、どれだけ深く長く吸って、吐いているか、それを観察してください」。焦りや悩みで頭が一杯になっている時などに、ちょっとこのポーズをやると、本当にリラックスできるのでおすすめです。

ポーズ3

「意識は体と呼吸に集中していた方がいいのだけれど、あまりにも気持ち良くて、どうしても眠くなってしまったら、寝てしまってもいいですよ」と、優しいアドバイスで始めてくれたのが、このポーズ。レベッカさんが風邪気味の時にやったら、楽になれたそうです。本当に心地よく、ずっとこのままでいたい気分になります。

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右側、左側、どちらから始めてもいいですが、腰の横にボルスターを並べます。

ボルスターの両脇に手をついて、体をゆっくり、ゆっくりひねります。

そのまま全身をボルスターの上に乗せて、体の力を抜きます。顔は足と同じ方向に向けて、耳をボルスターにつけ、目を閉じます。

体をさらにひねりたい場合は、写真のように、後ろ側に首を向けてもOKです。体のどこも痛くならない方向を選んでください。重力に体をまかせて、このまま7分。終ったら両手を使ってゆっくりと上体を起こし、反対側も同じように7分。

本来は手取り足取り、体の状態をヨガの先生に見てもらいながら、エクササイズを行うことが理想的ですが、これらの3ポーズは、自宅でも一人で簡単にできます。部屋を少し暖かくして、締めつけないリラックスできる衣服で行うと、より効果的だと思います。私自身は日々のリラックスが主な目的で続けています。続けることができる理由は「心地いいから」。健康のためや、体型のためにヨガをやるのも素晴らしいことですが、その人にとって心地いいものでなかったら、リラックスはできませんからね。本当に心地いいレストラティブ・ヨガを、家での特別な自分の時間の中に、ぜひ取り入れてみてくださいね。

取材協力

レベッカ・クリングラーさん/ロサンゼルスでの個人ヨガ・クラスのお問い合わせはrebecca@rebeccaklingelr.comまで。

参考文献

http://www.ajmc.com/journals/evidence-based-diabetes-management/2013/2013-1-Vol19-sp7/Restorative-Yoga-Better-Than-Stretching-for-Trimming-Subcutaneous-Fat-in-Overweight-Wome

この記事を書いたライター

Writer

洋楽専門誌編集部に勤務したあと、1999年、カリフォルニア州ロサンゼルスに移住。フリーの音楽ライターとしてライナーノーツ執筆・取材・ライブレポートなどを数多くこなす。ファーマーズマーケットで仕入れる地元の食材を使ったナチュラルな生活と音楽ライブがエネルギーの源。

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