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セックス・アンド・ザ・シティーのミランダ役で知られ、ブロードウェイのショーWitやテレビ番組「The Big C」にも出演していたシンシア・ニクソン。彼女は自ら悩んできた肌の状態についてFOXニュースで告白しました。Rosacea、日本語では「酒さ」(酒さ性皮膚炎)といわれるこの肌の症状はまだまだ広く知られていません。この状態は一体何なのでしょうか?

シンシア・ニクソンの体験談

現在50才のニクソンは、40代前半に顔にニキビのような赤いブツブツができはじめたことに気づきました。はじめは昔できていたニキビがまたできたのだと思い、ニキビ向けの強力なケアをしていました。しかし、一向に状態がよくならないため、皮膚科医に相談したところ、ニキビではなく「酒さ」だと診断されました。

「酒さ」とは、血管の炎症によって引き起こされる慢性的な症状です。原因や根本的な治療法ははっきりとわかっていません。しかし、ニクソンは医師にかかり、薬やアドバイスを受けるようになった後は、とても楽になったと言います。「何年も悩んでいました。もっと早く『酒さ』のことを知っていれば」とニクソンは振り返ります。

「酒さ」についての意識を高めたい

ニクソンは、全米酒さ協会と協力し、このあまり知られていない肌の状態について一般に広く知らしめたいと考えています。全米酒さ協会によれば、全米で1600万人以上がこの病気に苦しみ、そして、78%のアメリカ人はそれに気づいていないそう。

全米酒さ協会のエクゼクティブ・ディレクターサム・ハフ氏は、「酒さについての知識を広めるのは重要です。なぜなら酒さは物理的な症状というだけではなく、心理的な不安や、過剰な自意識や恥ずかしいといった気持ちを呼び起こしてしまうからです」と訴えます。

現在彼らは酒さについてのウェブサイトROSACEA FACTS(英語)を立ちあげ、酒さについての意識の向上をはかっています。

酒さのよくある症状

酒さの主な症状は以下の通りです。

・まるで日に焼けたかのように顔が赤く見えることがよくある。
・赤い吹き出物が、頬、額、鼻、そして顎にできる。
・皮膚が厚くなったように感じる。
・赤い血管が浮き出て見える。
・よく寝て休んだ後も、目が充血しているように見える。

酒さは、アメリカでは主に30才~50才の色白の人の間に多くみられます。しかし50才以降になって発症することもありえます。

色白の人に多くでるため、人種的には、北西ヨーロッパ系の人により多く見られます。しかし日本人でもなってしまうこともあり、やはり中年以降の発症が多く観察されています。

酒さの原因

酒さについては今も何が原因なのかはまだわかっていません。酒さの症状を持っている人の約4割が親戚に似たような症状を持っており、遺伝的な原因があるのではないかと言われています。

酒さを引き起こすきっかけ

酒さは「きっかけ」となる出来事に続いて現れることが知られています。

シャワーやお風呂に入った後、激しい運動後、日差しにあたった後、辛い食べ物を食べた後、熱い飲み物やお酒を飲んだ後などに顔が赤らむのをきっかけに、酒さの症状が始まることがあります。また、チョコレート、シトラス系のフルーツ、チーズ、熱いスープ、スクラブ、強い香料のもの、アルコール、メンソール、ペパーミント、などの食べ物がきっかけになることもあります。ストレスなども大きなきっかけの1つです。

酒さの主な症状

現在アメリカの皮膚科では酒さを以下の4種類に分けて治療をしています。

1) 赤み(Erythematotelangiectatic rosacea)

顔が赤くなるタイプの酒さです。

治療法:このタイプの酒さは薬やレーザーが使われるものの、治療が難しいため、できるだけ発症のきっかけとなるような出来事を避け、肌をいたわることが大事です。

2) 吹き出物(Papulopustular rosacea)

ニキビとよく似ていますが、酒さは、潰しても透明な液体が出てくるだけでよくなることはなく、また、ニキビのように、背中や肩にできることもありません。

治療法:外用または内容の薬が処方されることが多いです。メトロニダゾール、アゼライン酸などが使われます。

3) 皮膚の厚み(Phymatous rosacea)

主に鼻の周りの皮膚が厚く、そして赤くなることが多く、「酒を飲んだ」ように見えます。

治療法:軽いものは、薬で治療するものの、重症なものについては、外科手術もほどこされ、余計な皮膚の組織が除去されます。(例:冷凍手術、高周波除去、レーザー治療など)

4) 目の赤み(Ocular rosacea)

目の充血、涙目、目のひりひりする感じ、まぶたの腫れ、繰り返し起こるものもらい。

治療法:目薬、内服抗生物質・毎日まつ毛を洗う。重傷の場合は眼科の受診が必要になる場合もあります。

自分の症状が酒さではないかと思ったら?

自分の肌が酒さなのではないかと感じたらたった1つのことをしようと、このウェブサイトは呼びかけています。それは「皮膚科を訪れること」です。酒さは慢性的な症状であるため、一旦症状が現れると、完治するものではありません。しかし、症状にあった治療をすることで、症状をコントロールすることはできるのです。

病気への理解を求めるセレブ

アメリカではセレブが政治的な活動や発言を公にして活動をする傾向がありますが、今回のように、病気についても理解を求めて立ち上がることが多くあります。

シンシア・ニクソンは、以前乳がんを克服したとしてピンクリボンキャンペーンのイメージウーマンになっていたこともあります。レディー・ガガやエリザベス・テイラーなどがエイズ支援のために発言していることは有名ですし、ジェーン・フォンダやアリー・マイ・ラブのキャリスタ・フロックハートは摂食障害で苦しんだ過去についてインタビューで語っています。

病気は個人的なことであり、自らの病名を公に発表することはあまり一般的ではないかもしれません。しかし、有名人が病名を発表し、自らの体験を交えながらその病気への知識の普及を促すことは、患者はもちろん、患者を取り巻く周りの人にとっても意味あることだと思います。

参考

http://www.foxnews.com/health/2012/04/18/actress-cynthia-nixon-speaks-up-about-rosacea-diagnosis/

https://www.rosaceafacts.com/

この記事を書いたライター

Editor / Staff Writer

アメリカ発の新しい美容法&美容グッズ好きが高じて、美容製品を日本に紹介するため渡米。趣味はアロマテラピーとサイクリング。精油の自然な香りの魅力とパワーに魅せられています。いつまでも美しくアクティブな女性でいるための秘密を求めて今日も取材に走ります!!

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