黄金の液体、天然の薬、飲む美容液…、耳にするだけでも体に良さそうなこれらの名前は、全て今話題の「ボーンブロス」を形容する異名。骨ダシスープ(ブイヨン)を意味する“ボーンブロス”が、ハリウッドのセレブからNY(ニューヨーク)のヘルスコンシャスな女性たちまで魅了する人気のヒミツは一体どこにあるのでしょうか?ヘルシードリンクとしても、ダイエットドリンクとしても、豊富な栄養素と健康・美容効果を持つボーンブロス。ボーンブロスとは何か、NY、LA(ロサンゼルス)のボーンブロス事情やそのレシピまでご紹介する「理論編」とボーンブロスを使用したダイエットレポートの「実践編」、計2回にわたって徹底解説していきます! さっそく理論編。ボーンブロスについてしっかり知識を固めて実践に備えましょう!

“黄金の液体”ボーンブロスとは?

Kathy Hutchins / Shutterstock.com

ハリウッドを代表する女優であり、51歳とは思えないメリハリボディをキープするハル・ベリー。そんな彼女が、アメリカのTV番組で語った美の秘訣が、実はボーンブロスでした。「お肉屋さんにもらった捨てる肉の骨を24時間煮込むだけ。コラーゲンたっぷりなの。これが私の美容法」とボーンブロスを愛飲していることを明かしています。その他にもアスリートや健康意識の高いNYとLAの女性たちを中心に、ここ数年で確実にファン層を広げています。

その黄金色のスープから“黄金の液体”とも呼ばれるボーンブロスは、文字通り動物の骨を長時間煮込むことで出来上がる骨ダシのスープ。そのボーンブロスが、健康、美容、そしてダイエットにも効果的と話題を集めているのです。「普通のスープストック(牛や鶏などの肉や野菜から取った煮出しスープ)とは違うの?」という疑問も浮かびますが、ボーンブロスから得られる健康上のメリットの方がスープストックよりも多いといわれています。そしてもう一つの大きな違いは、飲んだ時の食感や喉越し。ボーンブロスに含まれる栄養素の影響もあって、特に手作りのブロスは濃厚な舌触りと深い味わいが特徴です。では、さっそく、その気になる栄養価から見ていきましょう。

“天然の薬”に含まれる豊富な栄養素

使う動物の種類によって、多少の違いは生まれますが、一般的に以下のような栄養価を含んでいます。

コラーゲン(ゼラチン)

ボーンブロスが“飲む美容液” といわれる理由がここにあります。骨を長時間煮た後に冷却すると、プルプルしたゼラチンになりますが、まさにこれがコラーゲンの変化形。さらにいえば、ゼラチン質である方が、消化・吸収の効率が高いとされています。肌にうるおいとハリを与え、エイジングにも効果的となれば、女性なら一度は飲んでみたいですよね。一般的にコラーゲンと聞くと、美容効果が容易にイメージされますが、実は健康にとっても欠かせない栄養素でもあるのです。脂肪燃焼を助けるタンパク質として、無駄のない筋肉を形成し、腕や足、体幹を引き締めてくれます。

ミネラル

①カルシウム

骨から取れるスープには豊富な種類のミネラルが含まれていますが、その一つがカルシウム。骨を健康的に強くし、骨粗鬆症や関節症など予防にも効果が期待できます。また、カルシウムには、神経の興奮や緊張を緩和してイライラや苛立ちを抑える働きに加え、血液などの体液を弱アルカリ性に保つ作用があります。高血圧、動脈硬化などの改善にも効果を発揮するといわれています。

②マグネシウム

実はカルシウムとともに、骨や歯の形成の基礎となっているのがマグネシウム。さらに、血糖値を正常化し、エネルギー代謝や血圧調整の働きをするため、日頃の摂取を心掛けることで、心臓病や糖尿病の予防と改善に効果があります。

③カリウム

ナトリウムとの相互作用で、細胞の浸透圧や酸とアルカリのバランスを維持します。それにより、女性の大敵であるむくみを改善してくれることで知られています。

アミノ酸

よく耳にするアミノ酸ですが、実際には「タンパク質を合成する最小単位の成分」と定義されています。言い換えれば、タンパク質を構成しているのがアミノ酸というわけです。自然界には多くのアミノ酸が存在しますが、そのうちの20種類によって、人間の臓器や神経伝達物質、ホルモン、血液などがつくられています。さらに、アミノ酸はタンパク質を構成している成分なので、タンパク質そのものよりもスムーズに体内に吸収されます。アミノ酸を摂取しても、体内で消化酵素の分泌の必要がないため、胃腸の調子が悪いときでも内臓の負担を最低限に抑えてくれる優秀な成分なのです。

以上の3つの栄養分が代表的な成分ですが、ボーンブロスにはその他にも多くの栄養成分が含まれています。そしてそれらの恩恵を受けることで、私たちの体にはどのような健康・美容効果があるのでしょうか?

“飲む美容液”に隠された健康・美容効果

①腸内環境の正常化

ボーンブロスに含まれるゼラチンやアミノ酸には、腸をコーティングし、疲弊した内臓機能を癒す効果があるといわれています。そのため、下痢や便秘、腸に貯まるガスなどの問題の改善も期待できるそうです。

②消化機能をサポート

アミノ酸を豊富に含むことから、消化を促進する働きがあります。またボーンブロススープ自体も体内に吸収されやすく、消火液と混ざることで、消化酵素のような役割を担いながら効率的な体内消化を助けてくれます。

③関節・骨の強化

関節痛の方がサプリで摂取することが多いグルコサミンも含むため、関節などの痛みの緩和にも力を発揮してくれます。また加齢とともに弱くなる骨の強化にも効果的であるため、体全体のエイジングのためにも、積極的に取り入れたいですね。

④ダイエット効果

ボーンブロスの効果が目に見えて感じやすいのは、やはりダイエットです。ゼラチンなど良質な脂質を豊富に含んでいるために、空腹を感じにくいのが最大のメリット。またアミノ酸の効果もあって、エネルギーが脳や体にも溢れるため、糖(炭水化物)への欲求が最低限に抑えられるといわれています。そして炭水化物自体もほとんど含まれていないのに、きちんとカロリーは摂取できるので、ファスティング(断食)中であっても満足感を得ることができます。
*ダイエットについては後述で詳しく説明します。

⑤美肌・アンチエイジング効果

コラーゲンやゼラチンが関節や筋肉の形成にとっても重要な成分ではありますが、もちろん若々しい肌をキープするためにも必須の成分です。そもそも顔や肌のたるみは、加齢とともに生じる筋肉の劣化も原因のひとつです。そのたるみに乾燥が加わるとシワにもつながっていきます。ボーンブロスを摂取することで、ハリのある肌を取り戻すことが期待できるのです。

➅安眠効果

カルシウムなどのミネラルを多く含むので、神経の興奮などを鎮静するトランキライザー(精神的興奮を鎮めて、不安などを緩和する薬全般)としての役割にも需要があります。また体が温まりやすいため、入眠にスムーズにつなげてくれるのもボーンブロスの魅力の一つです。

自宅でも作ることができるボーンブロス

多くの栄養を含み、健康・美容効果も高いボーンブロスは、自宅で調理可能であることもまた大きな魅力。世の中に出回るスーパーフードは、購入するほかに入手する手段がないものが多いため、自作可能なボーンブロスは貴重です。使用する材料によって、注意したい点を把握しておきましょう。

【手作りボーンブロスの全般的な注意点】
・可能な限りオーガニックの材料でダシを取る
・時間を短縮しようとして、高温調理にならないこと
※圧力鍋などで一気に過熱すると栄養素が逃げてしまうので、じっくりコトコト煮込む
・少量であればスロークッカーがベスト
・冷蔵庫で最長約5日間の保存が可能
※時期と調理法にもよるので、様子を見ながら自己判断で。冷凍すると約3ケ月

 

以下が材料別の注意点です。

【手作りボーンブロスの材料別注意点】

◆鶏の骨:煮込み時間は約6~10時間
自宅で実践するなら、一番手軽なチキンの骨。できれば平飼い(ゲージではなく、地面に放して飼われる養鶏法)の地鶏を選びましょう。

◆牛の骨:煮込み時間は24時間~36時間
栄養価も風味も高い牛骨。牧草のみで育てられた牛(grass-fed beef)の骨を使用するのが望ましいです。時間は掛かりますが、芳醇な香りと独特の舌触りを持つ美味しいスープが出来ます。

◆魚の骨:煮込み時間は2~3時間、量によって4~6時間
骨も小さく細いので、短時間で作りたい方は魚がおすすめ。あっさりとした日本人向きのボーンブロスができます。材料となる魚は天然のもので揃えたいですね。

 

出来上がったボーンブロスが冷えると、プルプルとしたゼラチン質に変わります。冷蔵・冷凍保存しやすいのも嬉しいですね。骨以外の材料を入れてオリジナルのフレーバーにすることもできます。レシピ例も参考にしながら、自分だけのボーンブロスを作ってみてください!

牛骨を使ったボーンブロス

こちらは通常の鍋を使用して、家庭用のコンロで調理する場合のレシピとなります。意外にも簡単に作れますので、ぜひ自家製のボーンブロスを作ってみましょう。

<材料>

  • 牛骨(部位はどこでもOK)・・・1kg
  • 水 ・・・1L
  • アップルサイダービネガー・・・大さじ1
    *これにより、骨の栄養素が最大限に抽出されます
  • 乱切りしたニンジン、セロリ、タマネギなど・・・約4カップ
  • ベイリーフ(バジルなどでもOK)・・・2枚
  • ガーリック・・・4片
  • 塩・・・小さじ1
  • ブラックペッパー・・・小さじ1/2

<作り方>

材料を全て鍋に入れる。
水を入れる。(目安としては、材料がすべて水に浸かった上に3cm位まで)
中火から強火にかけて一旦沸騰させる。
一度沸騰したら、すぐに弱火にする。
手持ちのコンロが可能な限りの弱火でコトコト煮る。湯気が逃げるように、蓋はほんの少しだけズラしておく。
赤味肉の骨は24時間~36時間以上。量や切り方によっては48時間以上必要な場合もある。夜は火にかけておくと危ないので、一旦調理を休止して冷蔵庫で冷やしておく。翌日残りの時間を火にかける
時間が来たら、小さい目の網でスープだけこし流す。後は冷蔵もしくは冷凍保存で。

レシピ自体はとてもシンプルですが、なんといっても時間が掛かります。やってみたいけど、そんなに時間がない…という方には、やはり店頭やネットでの購入がおすすめです。

専門店も登場で、より身近な存在に

アメリカでのボーンブロスの知名度と人気が急上昇するなかで、身近なスーパーでも簡単に購入できるようになってきました。

お手頃な価格と質の良さ、豊富な商品ラインナップでカリフォルニアの主婦たちの毎日の食卓を助ける「トレーダージョーズ」でも、オーガニックのボーンブロスの発売が開始されています。

ヘルスコンシャスの高い女性たちに人気の「ホールフーズ」でも、もちろん発見しました。こちらではドリンクタイプとして、少量のパッケージでも種類豊富に取り揃えていました。まるでジュースのようですね。

こちらはNYにあるボーンブロス専門店「ブロド(brodo)」。朝の一杯のコーヒーの代わりにボーンブロス、という時代もすぐそこまで迫っています。

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いよいよ実践編で体験レポートともに、「ボーンブロスダイエット」について詳しくご紹介していきます。

出典

https://www.kettleandfire.com/pages/the-bone-broth-diet
https://www.shape.com/healthy-eating/cooking-ideas/8-reasons-try-bone-broth

この記事を書いたライター

東京でファッション誌の編集・ライターとして活動後、渡米。LAではセレクトショップのバイヤーに。妊娠、出産を機に退職した後はフリーランスのライターとして活動再開。Newスポットの探索、本屋巡り、図書館でお籠り、ハワイへの逃避行が大好き。娘の笑顔とアイスクリームさえあればとりあえず幸せな30代女子です。

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