LA(ロサンゼルス)では、ジリジリと太陽が照りつける暑い日が続きますが、夏バテしていませんか?疲労が溜まってしまうと、つい食事も疎かになり、さらに体力を消耗してしまいます。けれど凝ったお料理も毎日作っていられない……。そんな私たちの強い味方になってくれるのが、飲んでよし、食べてよしのスーパーフード。少量でもたっぷりの栄養を運んでくれる奇跡の食べ物が、私たちのすぐ近くに溢れていたのです。それは、なんと「タンポポ」!古くから、体に良い野草として愛され続けてきたタンポポが、今またスポットライトを浴びようとしています。タンポポが持つ驚きの健康効果や、疲労回復にぴったりの簡単レシピなど、今すぐ実践可能な最新情報をご紹介していきます!

アスファルトに咲くスーパーフード

タンポポはどこにでも生えている野草というイメージがありますよね?確かに荒れた野原やアスファルトにも負けずに、その愛らしい黄色の姿を私たちに見せてくれています。決して華やかとは言えない庶民的な花ですが、実は生命力が強く、しかも栄養価も高い優れた植物なのです。実際に古くからタンポポの薬効が認められており、中国やギリシャでは消化の改善、肝臓の疲労回復、利尿促進剤として漢方などで何千年もの間親しまれてきました。またアメリカでもインディアンたちが、胸やけや胃痛用の民間薬として利用してきた長い歴史があるのです。そして日本でも平安時代から食されてきたと伝えられており、江戸時代の書物『食用簡便』では、タンポポについて「便秘を解消」「血の巡りを良くする」「解熱」などの効果が期待できる薬草として紹介されているそうです。

国境も時代も超えて古くから使われてきたタンポポですが、その成分を見てみると、実に多くの栄養素が含まれていることが分かります。

【タンポポの栄養素】
ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンK
カルシウム、カリウム、マンガン、マグネシウム、ミネラル、リン、繊維質、鉄

 

また上記以外にも、タンポポにはほうれん草以上のタンパク質が含まれています。さらに、これだけの栄養素を含んでいながら低カロリーであることにも、民間薬や健康食として愛されてきた理由があります。タンポポこそが、最も身近に溢れるスーパーフードといえるのかもしれません。

タンポポの花と葉が持つ健康効果

高い栄養価を持つタンポポですが、優れた点はそれだけに留まりません。花、葉、根の全てを余すことなく食することでき、さらにはそれぞれに違った効果・効能を持ち合わせているのです。花と葉の部分、そして根の部分に分けて、その効果を見ていきましょう。

まずは、花や葉の部分が持つ健康効果は主に次の4つです。

①デトックス効果

タンポポの葉には利尿作用のあるカリウムが多く含まれています。老廃物、塩分、余分な水分を排出する腎臓機能をサポートしてくれるといわれており、デトックスフードやドリンクとして人気を集めているのはそのためです。むくみを改善する他に、尿を作る腎臓そのものを強化してくれるので、膀胱炎などにも効果があるそう。またフランス語ではタンポポのことを「ピサリン」と呼び、「ベッドの中のおしっこ」という意味があるほどその利尿作用が広く知られています。

②抗炎症作用

長い間民間薬として愛されてきた理由でもあるのが、タンポポが持つ抗炎症作用です。タンポポには、脂肪酸、植物栄養素、抗酸化物質が含まれているため、体の痛みや腫れなどの炎症を軽減させる働きがあります。ニキビや喉の炎症にも効果が期待できるので、タンポポ茶を愛飲されている女性も多いようです。

③女性ホルモンの調整

女性に嬉しい効果としてもう一つ挙げられるのが、ホルモンバランスへの影響です。特に近年の研究で報告されていますが、タンポポには女性ホルモン「エストロゲン」の働きを高める効果が期待できます。美容通の女性ならご存知の方も多いエストロゲンは、別名「美肌ホルモン」とも呼ばれるほど、女性にとってなくてはならないホルモンです。特に生理中は、このホルモンバランスが著しく崩れるため、イライラしたり、肌荒れを招いたりすることが多いのです。またホルモンバランスを整えることで排卵機能を活性化させるため、生理不順や生理痛の改善、そして妊娠を希望する女性や更年期障害で悩む方の間でも人気を集めています。「生理中にはタンポポティーを飲むといい!」といわれるのは、このエストロゲンに起因していたのですね。

④ダイエット効果

タンポポは非常に低カロリーである上に、多くの繊維質が含まれています。中でも、食物繊維の一種である「イヌリン」には、糖質吸収を抑制し、血糖値の上昇を予防する作用があるため、ダイエットや糖尿病の予防に効果的です。またタンポポを習慣的に摂取すると、食事による血糖値の急上昇を抑制することで、インスリンの分泌が減り、脂肪がつきにくい体へと体質改善することが可能といわれています。

タンポポの根が持つ健康効果

次にタンポポの根部分に期待できる効果・効能をご紹介していきましょう。

①肝臓機能の向上

腎臓と共に“沈黙の臓器”と言われる肝臓は、異常が起きてもそれを自覚症状として感じることが少ないため、普段から意識してケアされることがほとんどありません。しかし、肝臓は体にとって大切な3つの役割を果たしてくれています。それが「代謝」「解毒」「胆汁の生成」です。タンポポの根に含まれる苦み成分には、胆汁を増加させ消化を促進する効果があります。その結果、体全体の消化機能が強化されるわけです。肝臓が不健康でも分かりにくいためにケアを怠りがちですが、機能が向上すれば、確実に大きな違いとなって体に現れるようですね。

②血行改善

①の肝機能が向上することによって、新陳代謝がアップし、血流が改善される効果もあります。血の巡りが良くなると、冷え性の改善や疲労回復にも一役買ってくれます。また授乳中の血流の改善は、母乳量の分泌にも大きく影響しますので、妊娠・出産した女性でタンポポティーを飲んでいる方も多いようですね。お茶で摂取する場合、ノンカフェインである点も魅力の一つです。

③コレステロールの低下

タンポポに含まれる「コリン(ビタミンの一種)」は、脂肪燃焼を促進する作用があるため、体内に蓄積された脂肪をエネルギーに変換し、コレステロールを減らす効果が期待できるといわれています。またイヌリンが持つ糖質吸収を抑制する機能との相乗効果でダイエット効果もさらに高まります。

④ガン細胞への効果

近年になって「タンポポの根はガンの予防や治療に有効的である」という研究結果が数多く報告されるようになってきました。その一つとして、カナダのウィンザー大学で行われた研究では、タンポポ根の抽出物が皮膚癌を治療し、わずか48時間で癌細胞が死滅した、というリサーチも出ています。また別の研究では、タンポポに含まれる成分により2日以内に大腸癌細胞の95%を消滅させることができた、という結果も出ています。どのリサーチにも遡及研究が必要であることは明らかですが、タンポポの根がガン予防や治療に役立つ可能性が示唆されているというだけでも、栄養価の高さがうかがえます。

以上のように、タンポポは部位によって効能が異なり、花や葉は主に腎臓系の症状、根は肝臓系の症状に対して有効的に働くことが分かっています。3つの部位を総合的に摂取した方が効果は高いといえますが、タンポポを入手、そして摂取するにはどのような方法があるのでしょうか?

最も手軽な方法はタンポポ茶

タンポポの花、葉、根を効率的に摂取するなら、やはり「タンポポティー」が一般的です。前述の通りノンカフェインなので、妊娠・授乳している女性にも美味しく飲んでいただけます。アメリカでは、スーパーなどのティーセレクションのコーナーではかなりの高確率で発見できます。日本でもハーブティーのセレクトが多い店では簡単に入手可能ですし、Amazonや楽天などの通販でももちろん購入できます。

ちなみに、「タンポポコーヒー」と呼ばれるものがありますが、正体はコーヒーではなく「タンポポティー」のこと。タンポポの根(ルーツ)の部分を焙煎して作られており、コーヒーに似た味がするといわれていることから、その名がついたようです。個人的にも根部分を使ったタンポポティーを飲んでいますが、「コーヒーにはあまり似ていないかな?」というのが感想。麦茶の香ばしさとコーン茶の自然な甘さを足して割ったような味で、非常に飲みやすいです。

私が飲んでいるティーブランドはアメリカで有名な“トラディショナル・メディシナル(Traditional Medicinals)”。こちらのブランドからは葉と根の両方を入れたものと、焙煎した根だけのものと2種類で展開されているようです。お茶であれば、タンポポ特有の苦味もほとんど感じず、毎日手軽に続けられますね。

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もちろん野生のタンポポも食べられます!

お茶などの飲み物で摂取するのは簡単ですが、これだけ栄養価が高い食べ物でも、野草は野草ですから本来ならどこにでも生息しています。それをそのまま摘んで料理の材料として加えることも、もちろん可能です。ただし、食べ物として摂取するものですので、動物の糞尿の被害が多そうな場所や空気が汚れている場所は避けた方がいいでしょう。

野生のタンポポを選ぶ場合のポイントは以下の2つ!

【野生のタンポポを選ぶポイント】
①苦味が少なく柔らかい春咲きがおすすめ。特に花が咲く前のものが美味しいそうです。
(もちろんシーズン外でも入手は可能です)
②“ニホンタンポポ”は苦味が少ないので、可能であればニホンタンポポを。

 

日本国内であれば、いわゆる在来種と呼ばれる「ニホンタンポポ」、外来種に属する「西洋タンポポ」の大きく分けて2種類が存在します。在来種と外来種の違いはいくつかありますが、分かりやすい見分け方は花の下にある“総苞(そうほう)”と呼ばれる部分の違いを確認すること。在来種は総苞が上に向かってぴったりとくっついているのに対して、外来種は反り返っていたり、下を向いたりしています。

在来種(ニホンタンポポ)

外来種(セイヨウタンポポ)

アメリカ国内で、少なくともLA近辺で個人的に見たことがあるのは、外来種のみでした。野草のタンポポをそのまま採って食べる場合は、上記のポイントに注意してくださいね。
*実際の調理方法は後述のレシピをご参考ください。

LAではスーパーで簡単に入手可能

野生のタンポポに抵抗がある方は、購入することもできます。「“無料で”どこにでも生えているのに買うの?」との声が聞こえてきそうですが 、アメリカでは購入してもそれほど高くはないので、衛生面や手間を考えると購入するのも賢い選択肢です。アメリカで人気のヘルシー系スーパーのホールフーズ(Whole Foods Market )では他の野菜と同じように陳列されています。お値段はひと束$2.99ですので、お高めのホールフーズ基準で考えても、お手頃価格といえるでしょう。

二段に渡って陳列されている緑の葉っぱが、二つともタンポポの葉(dandelion greens)です。茎に少し赤味のある「レッドダンデライオングリーン(red dandelion greens)」という種類もあるようで、こんなにも手軽に入手できるとは個人的にも予想外でした。ホールフーズの店員さんに話を聞くと、昨年そして今年に入ってから購入する人が増えているとのことで、その注目度の高さがうかがえます。

生の苦味を楽しんでこそ、タンポポ

実際に自分で調理する場合は、タンポポの葉を使うことがほとんどですが、気になるのはその苦味。しかし生で食べる方がタンポポの持つ高い栄養価をそのまま体に摂取することができるので、一度は生でトライすることをおすすめします。個人的に初挑戦した生のタンポポはサラダに入れていただきました。

ルッコラに似ていると表現されることも多いタンポポの葉。しかし実際はルッコラのソフトな苦味とは違い、アルグラをもう少し強くしたような舌に残る独特の苦味と風味でした。今回のサラダに入れたエシャロットなど、他にも舌に風味が残るようなお野菜が一緒だと、タンポポの苦味が柔らかくなります。また個人的にはドレッシングもクリーミーなタイプを選んで正解。サラサラのビネガー系よりも、クリーミー系やオリーブオイル系のドレッシングの方が全体の口当たりをまろやかにしてくれます。

苦味は軽減させたいけれど、生で食するのとほぼ同じ栄養価を摂取したいという方におすすめしたいのが、「タンポポペースト」です。

タンポポペースト<材料>

  • タンポポの葉・・・2カップ
  • パインナッツ(松の実)・・・1/2 カップ
  • 細かく刻んだニンニク・・・3個分
  • レモン汁・・・大さじ1
  • レモンゼスト・・・大さじ1
  • エキストラバージンオリーブオイル・・・1/2 カップ
  • シ―ソルト・・・小さじ1/2
  • ターメリックパウダー・・・小さじ1/2
  • ブラックペッパー・・・小さじ1/2
  • パルメザンチーズ・・・1/4カップ

<作り方>

パルメザンチーズ以外の全ての材料をブレンダーかフードプロセッサーに入れ、なめらかにする。もしテクスチャーが硬過ぎる場合は、オリーブオイルを少量ずつ足していく。
パルメザンチーズを加えたら、さらになめらかになるまでブレンダーにかける。
完成!

冷蔵保存で、3日間食べることができます。クラッカーや野菜のディップソースとして使うのもいいですし、肉や魚などメイン食材のソースとして利用することもできます。また茹で上がったパスタに混ぜるだけで、バジルソースパスタならぬ、タンポポペーストソースパスタもあっという間に完成。ペースト自体を作るのも簡単なので、料理のアレンジも広がりそうですね。気になる苦味も、ナッツの甘みとチーズのコク、レモンの酸味でまろやかになるとのこと。まだ試していませんが、サラダの残りの葉っぱでトライしてみようと思います。

加熱処理でも楽しめるタンポポ料理

生の苦味がどうしても苦手な方は、加熱調理することでお料理に馴染みやすくなります。下茹でするときに一つまみの重曹を加えたり、茹でた後に水に浸したりすると、しっかりとアク抜きをすることができます。下茹でしたタンポポは、ほうれん草などのように、お浸しや和え物、ソテーなどに使うことができます。

また天ぷらやフリッターのようにカラッと揚げてあげると、アクも抜けて美味しく頂けるようですね。

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タンポポの底力を見抜いた、先人たちのライフスタイル

普段から愛飲していたタンポポティーですが、実は詳しい効果をあまり知りませんでした。生理痛がひどくなってきた時期に友人にすすめられ、そのときにたまたまなのか、とてもリラックスできたので続けて飲んでいました。半ばおまじないのような役割もあったのかもしれません。それが今回改めてタンポポについてリサーチしてみると、実に優れた野草であることが分かりました。記事の中でも記述していますが、近年の研究によって新しく発見された効果・効能もあり、今また見直されている古からのスーパーフードなのです。

これからさらに研究技術が上がっていけば、日頃から周りにある自然のほとんどのものが“スーパーフード”なんていう時代がくるかもしれません。そう考えると、研究などの大袈裟なことをしなくても、“なんだか体に良さそう”という直感と体への反応だけで、食べるものを決めてきた昔の人たちの生き方は、より自分の体に寄り添ったライフスタイルだったのだと容易に想像できます。食べ物を知り、自分の体を知る。この2つは、健康になろうと躍起になる現代の私たちが、一番最初に大切にしなくてはいけないことだと、タンポポが教えてくれているような気がします。

出典

https://wellnessmama.com/5680/dandelion-herb-profile/
https://www.organicfacts.net/dandelion-greens.html
https://draxe.com/dandelion-root/
https://learningherbs.com/remedies-recipes/dandelion-pesto/?utm_sq=fqfk3c7kes

この記事を書いたライター

東京でファッション誌の編集・ライターとして活動後、渡米。LAではセレクトショップのバイヤーに。妊娠、出産を機に退職した後はフリーランスのライターとして活動再開。Newスポットの探索、本屋巡り、図書館でお籠り、ハワイへの逃避行が大好き。娘の笑顔とアイスクリームさえあればとりあえず幸せな30代女子です。

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