飾ってオシャレ、食べてヘルシー。サボテンの底力は食にあり!

観葉植物として大人気のサボテン。種類も豊富で、世話も簡単、おまけに見た目もかわいいことからインテリアに取り入れている方も多いですよね。でもそのサボテンが実は食べられるということを知っている方は少ないのではないでしょうか。しかも栄養価が非常に高く、調理方法も多岐に渡る万能食材なのです。メキシコや国境に近いアメリカの地域では古くから野菜として日常的に食べられてきましたが、最近になりアメリカ全土でもその栄養価が再認知され、スーパーフードとして注目を集めています。そんな知られざるサボテンの食の秘密をご紹介します!

食用サボテン「ノパル」とは?

サボテンといっても種類はさまざまで、全てが食べられるわけではありません。食用のサボテンの中でも有名なのが、スペイン語で「ノパル」という種類。日本では「ウチワサボテン」という名前で知られています。アメリカではノパルの中でも赤い果実の部分を「プリックリーぺア―」というフルーツとして分類して呼ぶこともあるようです。平たく、楕円形のような形をしていて、無数に広がるトゲが特徴です。

この痛そうなトゲトゲは、食材用に市場に出回る際には処理されていることがほとんどだそう。

 

気温が比較的高く乾燥している地域に多く見られるため、メキシコや中央アメリカに住む人々、そしてアメリカの先住民族であるインディアンの間で食されてきました。食材として使用できるパーツは緑色の葉部分と赤色(紫色)の果実部分に分かれており、大体のものが手のひらより少し大きいサイズ。そのため家庭で調理するのも簡単で、体調が思わしくない際には、医師からノパルの摂取をすすめられるほど栄養価が高いとのこと。その幅広い効能から、軽い傷の手当て、熱冷まし、二日酔い、日焼けによるシミの予防など、民間薬としても長い間重宝されてきたようです。アメリカ国内では、インディアン地区の他にメキシコ国境に近いアリゾナやテキサスを始めとする南西部でもメキシカンフードの一部として知られている食材。卵料理やサラダとしてテーブルに並ぶのが一般的です。

肝心の味は、緑色の葉部分の味をキュウリやインゲンに似ていると表現する人もいるようですが、少し酸味がある以外はあっさりとした味です。見た目から想像する青臭さもそれほどなく、オクラのようにネバネバとした粘膜があるのが特徴です。

カットすると普通の野菜のようですが、粘膜があるのが分かりますね。

 

赤い果実の部分は非常に甘く、スイカのような瑞々しさも併せ持っており、ジュースなどにもぴったりのフルーツです。

目にも美しい赤色がスムージーやサラダ、お料理の鮮やかなアクセントになってくれそう。

 

ノパルの栄養価、効能とは?

ノパルに含まれる栄養価の中で最も特筆すべきなのが、豊富に含まれる食物繊維です。その他にも、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル、ビタミン類、そして人間の体に必須とされている17種のアミノ酸を含んでいます。栄養価の高いノパルは、私たちの体にどのような健康効果を与えてくれるのでしょうか?

整腸作用、消化機能の改善

繊維質のサボテンの一種であることから、非常に多くの食物繊維を含んでいます。食物繊維といえば、整腸作用の回復には必須の栄養価で、便秘や下痢の症状を緩和してくれます。また腸の蠕動運動を促す作用もあり、消化吸収をスムーズに機能しやすくします。さらには、体内に通常以上の食物繊維があるとコレステロールを減らすことができ、血行が良くなることから、心臓への負担も軽減されるといわれています。

ダイエット効果

食物繊維には満腹中枢を刺激する機能があり、通常よりも少ない量で満腹感を与えてくれるため、食べ過ぎを抑制してくれます。ノパル自体が低カロリーであることに加えて、ビタミンB6が含まれていることから、新陳代謝が高まり、脂肪燃焼の効率が格段に上がります。その結果、食べても太りにくい体へと変えてくれるそう!

糖尿病予防

ノパルの葉から抽出した液体には、血糖値を下げる効果があります。予防にも効果的ですが、すでに軽度の糖尿病をお持ちの方にとっても、血糖値を安定させる手助けになると報告されています。

美肌効果

ノパルに含まれているフィトケミカルや抗酸化物質には、シミやしわなどのエイジングに対して優れた予防効果を発揮します。ビタミンB6の含有も美肌をキープする女性ホルモンの働きに貢献してくれるので、若々しい肌づくりにはぴったりの食材。最近になって特にスキンケアやボディケアの商品が続々と登場しているのも納得です。

睡眠の向上

ミネラルの一種であるマグネシウムの成分にも着目したいところです。マグネシウムは、特に不眠や慢性不安などで悩んでいる人にとっては、睡眠の質の改善策として有効な成分と言えます。鎮静作用もあることから、神経機能を落ち着かせてくれるので、睡眠の導入にも役立ちます。睡眠は体の疲れを癒し、精神的な安定をもたらす重要な時間です。質を上げることによって、体全体への健康効果が期待できます。

胃潰瘍の予防

サボテン特有のネバネバした粘膜のムコ多糖体と繊維性物質は、胃酸過多を防ぎ、胃の粘膜を保護してくれます。そのためアルコールの過剰摂取により悪化した胃潰瘍を改善したり、胃潰瘍そのものの生成を抑制したりする働きがあります。古くから二日酔いや胃潰瘍の民間薬として利用されてきたのも頷けます。お酒好きの方にとっては、試す価値のありそうな食材ですね。

アメリカに広がるサボテン市場

食用サボテン「ノパル」の栄養価の高さを再認識したアメリカ国内でも、新しいスーパーフードとして、さまざまな形で市場に出回っています。

サボテンウォーター

アメリカのヘルシー系スーパー「ホールフーズ」でもよく見かけるサボテンウォーター。スムージーに入れるなどアレンジしやすいのが魅力です。

サボテンの英語「Cactus(カクタス)」ウォーター。

 

サボテンスキンケア

2017年に登場したアリゾナ発のナチュラル系スキンケアブランドは、その名も「プリックリ―ぺアスキンケア」。サボテンの効能を活かしたラインナップが斬新です。

サボテンジャム

爽やかな甘さのある果実部分はジャムなどに加工されることも多く、人気の商品です。

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サボテンのジャム。その名もズバリの「Cactus Jelly(カクタスジェリー)」

 

ノパルはどこで入手するの?

メキシコ国境に近いアリゾナの地域などにはサボテン商品が非常に多く、キャンディーやジャーキーなどをお土産として購入する旅行者も多いよう。同じくメキシコ文化の影響が強いカリフォルニアでも、大型スーパーなどで生のサボテンを手軽に購入できるため、ヘルシーな野菜として調理する家庭も増えています。

日本ではスーパーで見かけることは少ないかもしれませんが、実はノパルを生産する農家があり、中でも有名なのが愛知県の春日井市。健康野菜として特産品にもなっており、楽天やAmazonで購入することができます。トゲの少ないノパルに品種改良されており、サボテンを食べる習慣のない日本人にとっても食べやすい工夫がされています。

ノパルを家で調理するには?

家庭でノパルを調理する方法としては、生のまま、茹でる、炒める、煮るなどがあります。生の硬さはインゲンとピーマンの間くらいなので、そのままでも十分に食べられます。粘り気と酸味、ほんの少しの青臭さがあるため、加熱しない料理に加えるときは一度下茹ですると他の具材とも馴染みやすいです。

元はトゲのあるサボテンのため、どの方法で調理するにも下処理が必要になってきます。アメリカのスーパーなどで購入できる生のノパルは、ほとんどの場合が太いトゲを大まかに抜かれた状態で売られています。

細かいトゲが残ったままになっていることが多いので、包丁やナイフを使って削ぎ落とします。トゲがなくなったら、根元部分を切り落とし、葉の外側もぐるりと一周切り落とします。これで下処理の完成。いつも使う野菜と同じように調理できます。

ノパルのおすすめレシピ

ノパルの高い栄養価を最も効率的に摂取するには、生で食べるのが理想的。そこでおすすめなのが、フレッシュスムージー。生のまま食べられる上にさっと作れて飲みやすいため、サボテンビギナーの方でも挑戦しやすいですよね。味も好みに合わせてアレンジできるので、甘み、酸味など好きなバランスで調整してみましょう。

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フレッシュスムージーの簡単レシピ

下処理が済んだノパルを、レモン、オレンジ、パイナップルと一緒にブレンダーに入れてスムージーにします。レモンやオレンジなどの柑橘系はノパルの青臭さを消し、パイナップルは爽やかな甘みをプラスしてくれるので、ノパルとの相性も抜群。ドロっとしたテクスチャーが飲みにくい方はココナッツウォーターをベースにするのもアリ。甘みがもっとほしい方はハチミツを加えると格段にまろやかになります。

ノパルの簡単グリルサラダ(4人分)

さらにもう一つおすすめなのがサラダです。生のノパルでもおいしいですが、ここでは少し調理を加えるグリルサラダのレシピをご紹介します。普段はそのまま食べることが多いトマトやパプリカなども、さっと焼いてあげると甘みが増すように、ノパルも一旦軽くグリルすることで自然な甘みが溢れ、より深い味わいに変化してくれます。粘り気が少し解消され、食べやすくなることもメリットのひとつですね。

  • メイン
  • ノパル 5~6枚
  • 赤ピーマン・・・1個(アメリカンサイズ)、3個(小さめ)
  • エシャロット ・・・3個
  • パクチー・・・1束
  • チーズ・・・お好みで
  • ドレッシング
  • オレンジの絞り汁・・・1/3カップ
  • 残りのオレンジ・・・適量
  • アップルサイダーヴィネガー・・・大さじ2
  • グレープシードオイル・・・大さじ4
  • ハチミツ・・・大さじ2
  • 煎りゴマ・・・適量
  • オレガノ・・・適量
  • シ―ソルト・・・適量
  • ブラックペッパー・・・適量

<作り方>

ノパルの下処理を行い、さいの目状に薄く切れ目を入れる。
ドレッシングを全て混ぜておく。
エシャロットを生で食べられる程度に薄くスライスする。
ノパルと赤ピーマンをグリルする。
※ノパルはそのままで、赤ピーマンは半分に切ってグリルする。フライパンではなく、網のグリルやオーブンの方がより甘みが出ます。
ノパルの焼き加減を調整する。
※ノパルは熱を通すと鮮やかなグリーンからオリーブグリーンへと変化するので、全体的に色が変わってきたら、それが焼き上がりのタイミング。少しだけ焦げ目がつくと、食べたときにいいアクセントになります。
ノパルと赤ピーマンをそれぞれ細長く切る。
残りの具材を混ぜ合わせ、ドレッシングをかけて、完成!

甘みを増した野菜と少し酸味のあるドレッシングが絶妙にマッチ。ノパルの歯ごたえも楽しめるヘルシーなサラダです。ぜひ作ってみてくださいね。

アメリカのヘルシーフード

ヘルシー志向の人が多いカリフォルニアでは、毎年のように新しいスーパーフードが話題になったり、昔から食されていたものが再認識されたりと、フード業界がダイナミックに流動しています。今回のサボテンも、再度その栄養価と効能が見直されている食べ物の一つ。「食べることができるの?」とある地域では思えるようなものを、ある地域では健康食として重宝しているというのは、どこにでもよくある話ですよね?つまり、世界規模で見れば、想像し切れないほど多くのスーパーフードが存在しているということ。それが今はインターネットやSNSを通して、より拡散しやすくなっている時代です。加えて医学もますます進歩しています。もう “ヘルシーに生きる”というライフスタイルは、アメリカでは限られた人だけのものでなくなってきているようです。それでも、ピザやハンバーガーを食べずにはいられないアメリカンたちは、ヘルシーだからとサボテンをトッピングするようになりそう。なんともアメリカらしい発想でほほえましくなりますよね。リビングに飾っているサボテンが、キッチンの常備野菜になる日は、そう遠くはないようです。

出典

https://www.lifehack.org/356365/7-surprising-health-benefits-eating-cactus
https://www.organicfacts.net/health-benefits/vegetable/nopales.html

この記事を書いたライター

東京でファッション誌の編集・ライターとして活動後、渡米。LAではセレクトショップのバイヤーに。妊娠、出産を機に退職した後はフリーランスのライターとして活動再開。Newスポットの探索、本屋巡り、図書館でお籠り、ハワイへの逃避行が大好き。娘の笑顔とアイスクリームさえあればとりあえず幸せな30代女子です。

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